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「グッド・ドクター」第8話 #グッドドクター 主人公アンチキャラとして頑張っていた間宮部長もついに折れ、立派な医師として難しい手術に成功。
突き飛ばしたり怒鳴ったりがなくなった分、見やすくはなったけれどもベタ感は強め。
でも、子どもの話なのでついウルウルしちゃう。幼子は助かって良かったし、兄ちゃんの心も汲んでもらえて良かった。
兄弟間の嫉妬は健康でも難しい問題で、ドラマの中の母にも中学生の兄にも同情しながら見た。
「透明なゆりかご」でも子育てに苦悩してきたらしい母を演じる酒井若菜さんが、ここでも優しさと悲しみで揺れ動く母親の複雑さを表現。上手い女優さん、本当に。
何だかんだ言って未来に進む若者と過去に捉われる旧世代の対比がエゲツナイ。 八重子さんと奈津を介して糸子と和解した玉枝さんが、 四人が一同に会した糸子の結婚式を回想する件。
http://i.imgur.com/0t2ABG4.jpg?1
勘助の背中が一瞬、映りながら八重子の死角に消え『その場に居ながら存在しない』的に 扱われ、しかも玉枝さんは、これを笑いながら語っているのだからゾッとします。 ひ孫を嬉しそうに背負い、昔のように小原家に足を運ぶ様を描いた後にコレ。 (今回の再見で気づきましたが実際の第8週のカットとは異なっています)
「カーネーション」を真剣に観ていくとサスペンスドラマ的なスリリングな高揚感が得られます。行間を意識していく中で感じる微かな違和感(今回は糸子と玉枝さんが和解から現在に至るまで勘助に全く言及していない事)を抱きながら観続けると、ある場面を見た瞬間に表面上の作劇に基づく見解がひっくり返ってしまう。(私の意見が度々、心臓に悪い内容になるのは、この見方に慣れてしまったため。スンマセン)
先週の優子のキャラ立ても豪快極まる糸子の娘という括りだけで見るには、 かなり生々しく静子が再登場した瞬間に抱いていたモヤモヤ感が一気に晴れてくる。 単に遺伝要因だけでなく人格形成に影響した環境要因まで一気に結実してくる。 祖父に可愛がられた幼少期 ⇒ぶっきらぼうだけど優しいお爺ちゃんの面影を感じる北村の所に足を運ぶ100回。 染まり易さ故に母の直系である妹との取っ組み合いでお転婆少女と化した小学生時代 (同時に静子レベルのキャラである優子にもポテンシャルの芽が育まれる) ⇒直子にマウントポジションを取られる101回。 不倫騒動を切欠に世間を強く意識して優等生の仮面を被っていく中学、高校時代 ⇒周防の息子に突き飛ばされた(=被り始めた)場所で仮面が落ちる103回。
つくづく大河レベルの朝ドラ。
対人関係、三者三様。
女学校時代は級友との会話が全く面白く無かった糸子にようやく時代が追いついた。 戦前、二十歳過ぎで店を持った事もあり周囲は一目、置いてくれるし糸やんウハウハ。 直子は才能がある者同士で波長が合えば糸子でさえ拘った「性別」すら 飛び越えていきますが、あくまで才能が前提。(同僚の過半と顧客全部は同性) それを思えばチャラチャラしているように見える優子の交友関係は無視できないし 後に娘の復学を焦ったのは何も基礎学力だけの問題ではない。
ただし周囲(=既存の価値観)に合わせる優等生は小さく纏まり易い。言葉に揶揄を 感じる原口先生ぐらい教えのプロになると物分りがいいだけの生徒は物足りない。 「この子も僕を、もう少し手こずらせてくれるぐらいの所があれば化けるんだが」 と思って直子の才能を優子にぶつけるぐらいの意図はありそうで実際にそうなった。 この姉妹喧嘩が「もう少し」の範疇に入っていたか不明ですが。
しかし周辺キャストの援軍とメイクもあって綺麗にキャリアウーマン化している オノマチ糸子に比べて新山優子は頑張って女学生を演じた先週に比べてもババ臭い(汗。 ドラマと現実で出産経験の有無が逆の限界なのか、 手のかかる赤ん坊のような妹に対して千代さん譲りの母性が既に出ている演出なのか。
『カーネーション』103・104話 #カーネーション
「じゃあ、継がないで、自分の店を持ったらいいじゃないか。」「それはそれでカッコいい。」
原口先生の口から出た言葉は目からウロコが落ちる新鮮さ。
「継がない」=「洋裁師にならない」ことばかり考えて育った次女の直子。自分の城を自分で持つという夢を初めて知る。
反対に、「自分が継ぐのだ」というちょっとした誇りでやってきた優子はこの事態に混乱する。「自分の原口先生」「自分の東京」が取られる感覚も許せない。
「1人しか通れん道ちゃう。」それは分かっているけれども、直子だけは通したくないんだよね(笑)
優子がわろたら直子が泣き、直子がわろたら優子が泣く。
戸惑う母心。 圧倒的長女であった糸子には下の者の気持ちが分からない。
「身内や言うても敵になる」と北村は言うが、直子にとっては元々そんなもんや。
「楽ちゃう方が、おもろい。」
直子の言葉を、聡子はどう受け止めるのか、今はまだ分からない。
ただ……
子どもたちが居なくなるのを寂しがっている場合ではなく。
聡子の存在を見てあげてくれ、糸子!!と、テレビに向かってつい言ってしまう(笑)
さぁ……
「サンローランっつー若造」の新作は糸子にはアッパッパーにしか見えず、直子にはその良さが見えるらしい。
「ライバル」は決して姉妹間の話ではなく、洋裁師の誇りをかけた小原の女たちの話。
糸子メインは、もう別に書きます。
基本の性格は静子的な優子ですが思考や行動パターンは母親似。 直子の同居を命じ、優子が認めたく無い本音を直子がズバリ指摘したにも関わらず 糸子は「妹の一人や二人、どうっちゅう事ないやないか」的態度を全く崩さず 優子は家の裏手で地面に石を投げつけている。これは糸子が 善作に「男の浮気の一つや二つ」と言われた時のリアクション、そのまんま。 しかし善作が口で偉そうな事を言っても後ろめたい感情が散見されたのに対して 全く平然としている糸子。酷い主人公ですねー。 糸子も終戦前後の時期は八重子さんの態度から安岡家の内情を察し、 北村や周防の戦地体験に想いをはせるなど人との関わりに慎重な所を見せていました。 が、勘助の事を脇に置く形で玉枝さんと和解し周防と別れ戦後十年も経過すれば 喉元過ぎれば熱さを忘れるで戦前のメンタリティに逆戻りしてしまう。 経験は咀嚼しなければ意味が無い。 この点を踏まえれば晩年編直前にこの二人を想起させるイベントが入った意味も解る。
で、本当は三人の中で一番、寂しがり屋な直子の性格は 家族を離れるような選択を全くしてこなかった自分の性格を特化したものなのに 全く関知せず、居なくなってから寂しさを感じる糸子。本当の本当に酷い主人公(爆。 後の独立騒動は完全に姉を介しての直ちゃんの母親への復讐劇ですわ。 糸子は東京に拘る次女の理想なんぞ次の回には、とっとと忘れていたし 「お母ちゃんには内緒」といって物件を押さえるのを隠す理由は無いでしょうに。
善作がラジオを購入したように糸子はテレビを購入。 以後、15年前後で買い替えられる度にカラー化、リモコン付き、液晶化と 性能アップしていくのですが一方で一緒に観ている人がどんどん減っていき 最後は糸子(奈津もだけど)が一人で鑑賞しているのが何気にシュール。
三姉妹編も一週目が終了。直子が糸子の直系的なのに対して 優子は静子メインで糸子がブレンドされた、より複雑なキャラなのが解ります。
静子は「糸子への不満を本人ではなく母に漏らして目的を達成しようとした」 「『パッチ100枚』の時に姉を立てて次女のポジションを確保しつつ妹達を仕切る」 「姉の手伝いにやりがいを感じながら印刷所勤務という現実的選択」。 これらを踏まえていれば今週の優子の言動に既視感を感じ、 静子本人が登場した所で、やっぱりそうかとなります。 優子も糸子を立てながら自分のポジションを確保しようとしていますが姉妹と母子では 距離感が違うし、直子や聡子は「姉ちゃんの手伝い」で満足するタマではない。 家族間のパワーバランスが前半と全く異なり、調整役が本領の№2基質な長女は苦しい。 しかも直子は大賞を取り、聡子も後に全国優勝。一流の才能を持つ妹達に対して 自分は二流の才能しか持たない器用貧乏に過ぎない現実を漠然と感じ始めながらも 目を逸らし背伸びしている優子。祖父譲りの天賦の商才を甘受し、 当たり前のように長女として君臨してきた糸子にその心境が解るはずもない。
ただ、この時点で優子は糸子に対しアドバンテージを実は示している。 静子寄りの性格は正確には千代さんからの隔世遺伝。 (静子のキャラ自体が千代さんと優子にワンクッション入れるための存在) ツイッターで「気合い一発上京を勝ち取る直子カッケ―。小細工していた優子はザマァ」 的な意見が本日、頻出するでしょうが、これが実は制作側の引っ掛け。 週をまたいでアッパッパが蒸し返された本当の意味。 来客を味方につけて、夫に娘の努力を認めさせた千代さんの機転を想起させる、 「その小細工に糸子も助けられてきたのだぞ」というメッセージです。 糸子は千代さんのお陰で二の手を考えるより先に道が開けた。 直子も原口先生までの道筋は優子が作ってくれたお陰で今は悠々、進めているだけ。 糸子は「女は男みたいに角を立てずに商売できる」と言っていますが この点に関して男より男的な糸子より優子が数段、上手な訳です。
優子の根回しが悪印象なのは千代さんのそれと違って現時点、自分の為だから。 今は未熟で自分の事しか考える余裕はない優子ですが基本的に周囲に配慮するタイプで 糸子は娘に力量差を埋められるに従い旗色が悪くなっていきます。
デキる女が放つプレッシャー…。 不正受給の時には義経が曖昧な知識でポカをやったけど今回は逆ですねぇ。 これが主役ならハローワークの時にも最初から「そこを何とか!」と拝み倒して 中林さんに感謝されただけで終わっている。 栗橋さんだから相互補完のドラマになった。 次回は2年目?どんな方にも誠実にの初心を忘れそうになる頃でしょうか。
『カーネーション』101・102話 #カーネーション 画家になるという夢を「止めた」ことが、いつの間にか「家のために止めてあげた」ことになっている優子。
家は私が継ぐのだから、あんたたちは好きな事を一生懸命勉強しなさい。と説教する姿が芝居がかっていて可笑しい。ああ、人生の中で、自分もこんな顔して弟妹や子供らに説教していた時もあっただろうなぁと恥ずかしく振り返る。「おこがましさ」。
近所の人たちに偉い偉いと褒められる姉。「家を継ぐ」ことになっている姉。注目されるし、注目されるように動く姉。
ついに爆発したのが赤いバッグ事件(笑)
直子が欲しているのは、そのバッグでは無くて、糸子の愛と関心なのだと。よく見て、糸子。
三人兄弟の真ん中は「おみそ」になりやすいと昔から言う。
何も語らず、ただ不器用に孤独を全身から発する直子が可愛くて愛しうて、ああ、子育てとはなんと難しくて罪深いのだろうと思う。
がさつに見える子ほど敏感。
『健康で文化的な最低限度の生活』第7話 #健康で文化的な最低限度の生活 #ケンカツ 視聴率がイマイチで色々言われているのをチラっと目にした気がしますが、「貧乏」や「病気」や「底辺」を描いていながらお涙ちょうだいにも曖昧なホッコリにも走らない作り、とても好きです。
個人的には今期のドラマの中で好感度高い方に入っています。
ディスレクシアの相談者と、人間関係に難アリのケースワーカー。どちらも自分のことで精いっぱい、人の気持ちを考えるという器が初めからない。
出会った事で、それぞれ自分の欠点を見直し前へ進むという流れが素晴らしかった。丁寧だと思います。
不器用な優等生を演じる川栄さんが上手くて。そして可愛くて。時代物からヤンキーから優等生まで、本当に何でもこなすなぁ。
字が理解できない中林さんを支える手があるように、不器用な栗橋さんを支える仲間がいる。良い環境です。こういうホッコリは心から歓迎したい。
本日は直子メインのパートでしょうか。
母の関心を得ようと優子と直子が互いを牽制している状況ですが この時期の糸子の人生観は「長女がしっかりしていれば兄弟姉妹は何とかなる」なので (結果的に、あながち間違いでは無かったですが) 家業を継ぐポジにもいない直ちゃんは分が悪い…。 だからこそ、この母親に認められるには胸倉ひっつかんで 自分の方に向かせるぐらいの力と気迫を持つ事だと最初に考えるのも直子(笑。
優子が原口先生に師事する直前に勇からのチョコレート。 糸子が根岸先生に師事する直前に善作(苦党)がコーヒーについて語る場面との対比。 前半の糸子と後に優子が買ってくるケーキの意味合いが全く違うのが解る。
また、この縦軸とは別に横軸では直子を中心に家族を描く。 正面には直ちゃんを一番、理解してくれる千代お婆ちゃん。 聡子に対する態度は糸子以上に我の強い性格でありながら 妹から栗を独占していた糸子との違いが描かれる。 そして優子は直子と視線を合わさず母の死角に隠れるように服を見せに来る。 美大受験を反対されたら抗う気概も持てず家業を継ぐという選択肢しか選べない優子は 糸子の影にいますが、それは妹の才能や覇気を警戒する優子にとって 姉の面目を保ちながらの都合の良い逃げ場所でもあります。
何で、三人の中でここまで面倒くさい性格なのかは、また次回。
面白い時とそうでない時の落差が激しい「マッサン」ですが、今週は…。 何故、エマの初恋を2週間も引っ張るのか。 先週はエリーの初恋に結び付けて彼女の内面を掘り下げたので 今週はマッサンの一馬へのウイスキー作り伝授を通じて、ここに至るまでの 展開を回想し、終盤を前にマッサンのキャラを今一度、総括すべきでは? (一馬を中心に出征の葛藤を描く事自体はいいのだが) ところが、伝授は触り程度の扱いで主人公が一番、影の薄い週になってしまう…。 優希美青の所属事務所ゴリ押しみたいなものを感じる。
ピン子の臨終を年明けまで引っ張りたくて失業編を一週余分にダラダラやった感もあり こういった「大人の事情」が全体の構成に歪を及ぼした節がある。 この割を食ったのが主人公夫婦が出産に立ち合い、最終的に後継者となる悟。 一馬が残した樽を前にマッサンが俊兄や悟と語る場面は 栄一郎が残した樽を前に三人だけの葬儀を行う場面へのフィードバックがうががえ 栄一郎⇒一馬⇒悟へと繋がるラインが見えるだけに 前任者二人に比べ影が薄い悟が気の毒(スピンオフにも出演できなかったし)。
『トーキョーエイリアンブラザーズ』第6話 #トーキョーエイリアンブラザーズ 「忘れられるって悲しいなぁ」 夏が悲しみを覚える。
「覚える」というよりも、実はとっくに分かってはいたんだ。だから記憶を消すのは嫌だったし、岡部を傷つけることを恐れた。
冬ノ介だって実は知ってる。 だからお茶を差し出すんだね。
「優しくて気が利いて話し上手」だけれども大事なものが抜けている冬。
大事なものだけを持っている夏。
そう言ってもらえたのに、忘れられてしまった。
ちいちゃんの記憶は二度と戻らない。 なのに、こっちの記憶は蓄積されたまま。
死んでしまった人の思い出のよう……。
悲しさがこっちにまで伝わる。
『ラストチャンス 再生請負人』第7話 #ラストチャンス 騙しているのではと思っていたあの人は騙していなくて、怪しいのではと思っていたあの人は本当に怪しいし、悪いのではと思っていた人まで騙されていたとか…なんなの。
昨日から土下座土下座で薩摩の家老が大変もす(笑)
この辺、よく分からないが負債の話はとっくに流れていてもおかしくない気がしてしまうし、ここまでよく引っ張ったなぁ(笑)
ラストは土下座の嵐らしい。
まぁ……どう再生するのか楽しみにしておきます。
医療裁判を起こす正攻法でもなく 「巌窟王」ばりにエゲツナイ作戦でもなく 結婚式場で銃を構えるのは安直感を拭えない。
ラブシーン映像をカットして対象を見失ったり プロフェッショナルの魅力も無いなぁ…。
過去作品レギュラーだった長嶋氏登場はテコ入れだったりしないかな? そういえば北大路欣也は、もう「刑事シュート」はやらないのでしょうか。 新山千春は朝ドラ以外は殆ど茶髪。
『絶対零度』第7話 #絶対零度 愛した人の心臓を撃ちに行く……。
とても切なくて美しい話なんだけれども、雇った興信所がドナーや整形まで探り当てちゃうとか、真実を知った経緯が病院内での立ち聞きだったとか、何だか色々と詰めが甘くて。
この「dele」になれそうで、ちょっとなれない感じが月9なのかなぁとか……(汗)
「グッド・ドクター」第8話 #グッドドクター
主人公アンチキャラとして頑張っていた間宮部長もついに折れ、立派な医師として難しい手術に成功。
突き飛ばしたり怒鳴ったりがなくなった分、見やすくはなったけれどもベタ感は強め。
でも、子どもの話なのでついウルウルしちゃう。幼子は助かって良かったし、兄ちゃんの心も汲んでもらえて良かった。
兄弟間の嫉妬は健康でも難しい問題で、ドラマの中の母にも中学生の兄にも同情しながら見た。
「透明なゆりかご」でも子育てに苦悩してきたらしい母を演じる酒井若菜さんが、ここでも優しさと悲しみで揺れ動く母親の複雑さを表現。上手い女優さん、本当に。
何だかんだ言って未来に進む若者と過去に捉われる旧世代の対比がエゲツナイ。
八重子さんと奈津を介して糸子と和解した玉枝さんが、
四人が一同に会した糸子の結婚式を回想する件。
http://i.imgur.com/0t2ABG4.jpg?1
勘助の背中が一瞬、映りながら八重子の死角に消え『その場に居ながら存在しない』的に
扱われ、しかも玉枝さんは、これを笑いながら語っているのだからゾッとします。
ひ孫を嬉しそうに背負い、昔のように小原家に足を運ぶ様を描いた後にコレ。
(今回の再見で気づきましたが実際の第8週のカットとは異なっています)
「カーネーション」を真剣に観ていくとサスペンスドラマ的なスリリングな高揚感が得られます。行間を意識していく中で感じる微かな違和感(今回は糸子と玉枝さんが和解から現在に至るまで勘助に全く言及していない事)を抱きながら観続けると、ある場面を見た瞬間に表面上の作劇に基づく見解がひっくり返ってしまう。(私の意見が度々、心臓に悪い内容になるのは、この見方に慣れてしまったため。スンマセン)
先週の優子のキャラ立ても豪快極まる糸子の娘という括りだけで見るには、
かなり生々しく静子が再登場した瞬間に抱いていたモヤモヤ感が一気に晴れてくる。
単に遺伝要因だけでなく人格形成に影響した環境要因まで一気に結実してくる。
祖父に可愛がられた幼少期
⇒ぶっきらぼうだけど優しいお爺ちゃんの面影を感じる北村の所に足を運ぶ100回。
染まり易さ故に母の直系である妹との取っ組み合いでお転婆少女と化した小学生時代
(同時に静子レベルのキャラである優子にもポテンシャルの芽が育まれる)
⇒直子にマウントポジションを取られる101回。
不倫騒動を切欠に世間を強く意識して優等生の仮面を被っていく中学、高校時代
⇒周防の息子に突き飛ばされた(=被り始めた)場所で仮面が落ちる103回。
つくづく大河レベルの朝ドラ。
対人関係、三者三様。
女学校時代は級友との会話が全く面白く無かった糸子にようやく時代が追いついた。
戦前、二十歳過ぎで店を持った事もあり周囲は一目、置いてくれるし糸やんウハウハ。
直子は才能がある者同士で波長が合えば糸子でさえ拘った「性別」すら
飛び越えていきますが、あくまで才能が前提。(同僚の過半と顧客全部は同性)
それを思えばチャラチャラしているように見える優子の交友関係は無視できないし
後に娘の復学を焦ったのは何も基礎学力だけの問題ではない。
ただし周囲(=既存の価値観)に合わせる優等生は小さく纏まり易い。言葉に揶揄を
感じる原口先生ぐらい教えのプロになると物分りがいいだけの生徒は物足りない。
「この子も僕を、もう少し手こずらせてくれるぐらいの所があれば化けるんだが」
と思って直子の才能を優子にぶつけるぐらいの意図はありそうで実際にそうなった。
この姉妹喧嘩が「もう少し」の範疇に入っていたか不明ですが。
しかし周辺キャストの援軍とメイクもあって綺麗にキャリアウーマン化している
オノマチ糸子に比べて新山優子は頑張って女学生を演じた先週に比べてもババ臭い(汗。
ドラマと現実で出産経験の有無が逆の限界なのか、
手のかかる赤ん坊のような妹に対して千代さん譲りの母性が既に出ている演出なのか。
『カーネーション』103・104話 #カーネーション
「じゃあ、継がないで、自分の店を持ったらいいじゃないか。」「それはそれでカッコいい。」
原口先生の口から出た言葉は目からウロコが落ちる新鮮さ。
「継がない」=「洋裁師にならない」ことばかり考えて育った次女の直子。自分の城を自分で持つという夢を初めて知る。
反対に、「自分が継ぐのだ」というちょっとした誇りでやってきた優子はこの事態に混乱する。「自分の原口先生」「自分の東京」が取られる感覚も許せない。
「1人しか通れん道ちゃう。」それは分かっているけれども、直子だけは通したくないんだよね(笑)
優子がわろたら直子が泣き、直子がわろたら優子が泣く。
戸惑う母心。
圧倒的長女であった糸子には下の者の気持ちが分からない。
「身内や言うても敵になる」と北村は言うが、直子にとっては元々そんなもんや。
「楽ちゃう方が、おもろい。」
直子の言葉を、聡子はどう受け止めるのか、今はまだ分からない。
ただ……
子どもたちが居なくなるのを寂しがっている場合ではなく。
聡子の存在を見てあげてくれ、糸子!!と、テレビに向かってつい言ってしまう(笑)
さぁ……
「サンローランっつー若造」の新作は糸子にはアッパッパーにしか見えず、直子にはその良さが見えるらしい。
「ライバル」は決して姉妹間の話ではなく、洋裁師の誇りをかけた小原の女たちの話。
糸子メインは、もう別に書きます。
基本の性格は静子的な優子ですが思考や行動パターンは母親似。
直子の同居を命じ、優子が認めたく無い本音を直子がズバリ指摘したにも関わらず
糸子は「妹の一人や二人、どうっちゅう事ないやないか」的態度を全く崩さず
優子は家の裏手で地面に石を投げつけている。これは糸子が
善作に「男の浮気の一つや二つ」と言われた時のリアクション、そのまんま。
しかし善作が口で偉そうな事を言っても後ろめたい感情が散見されたのに対して
全く平然としている糸子。酷い主人公ですねー。
糸子も終戦前後の時期は八重子さんの態度から安岡家の内情を察し、
北村や周防の戦地体験に想いをはせるなど人との関わりに慎重な所を見せていました。
が、勘助の事を脇に置く形で玉枝さんと和解し周防と別れ戦後十年も経過すれば
喉元過ぎれば熱さを忘れるで戦前のメンタリティに逆戻りしてしまう。
経験は咀嚼しなければ意味が無い。
この点を踏まえれば晩年編直前にこの二人を想起させるイベントが入った意味も解る。
で、本当は三人の中で一番、寂しがり屋な直子の性格は
家族を離れるような選択を全くしてこなかった自分の性格を特化したものなのに
全く関知せず、居なくなってから寂しさを感じる糸子。本当の本当に酷い主人公(爆。
後の独立騒動は完全に姉を介しての直ちゃんの母親への復讐劇ですわ。
糸子は東京に拘る次女の理想なんぞ次の回には、とっとと忘れていたし
「お母ちゃんには内緒」といって物件を押さえるのを隠す理由は無いでしょうに。
善作がラジオを購入したように糸子はテレビを購入。
以後、15年前後で買い替えられる度にカラー化、リモコン付き、液晶化と
性能アップしていくのですが一方で一緒に観ている人がどんどん減っていき
最後は糸子(奈津もだけど)が一人で鑑賞しているのが何気にシュール。
三姉妹編も一週目が終了。直子が糸子の直系的なのに対して
優子は静子メインで糸子がブレンドされた、より複雑なキャラなのが解ります。
静子は「糸子への不満を本人ではなく母に漏らして目的を達成しようとした」
「『パッチ100枚』の時に姉を立てて次女のポジションを確保しつつ妹達を仕切る」
「姉の手伝いにやりがいを感じながら印刷所勤務という現実的選択」。
これらを踏まえていれば今週の優子の言動に既視感を感じ、
静子本人が登場した所で、やっぱりそうかとなります。
優子も糸子を立てながら自分のポジションを確保しようとしていますが姉妹と母子では
距離感が違うし、直子や聡子は「姉ちゃんの手伝い」で満足するタマではない。
家族間のパワーバランスが前半と全く異なり、調整役が本領の№2基質な長女は苦しい。
しかも直子は大賞を取り、聡子も後に全国優勝。一流の才能を持つ妹達に対して
自分は二流の才能しか持たない器用貧乏に過ぎない現実を漠然と感じ始めながらも
目を逸らし背伸びしている優子。祖父譲りの天賦の商才を甘受し、
当たり前のように長女として君臨してきた糸子にその心境が解るはずもない。
ただ、この時点で優子は糸子に対しアドバンテージを実は示している。
静子寄りの性格は正確には千代さんからの隔世遺伝。
(静子のキャラ自体が千代さんと優子にワンクッション入れるための存在)
ツイッターで「気合い一発上京を勝ち取る直子カッケ―。小細工していた優子はザマァ」
的な意見が本日、頻出するでしょうが、これが実は制作側の引っ掛け。
週をまたいでアッパッパが蒸し返された本当の意味。
来客を味方につけて、夫に娘の努力を認めさせた千代さんの機転を想起させる、
「その小細工に糸子も助けられてきたのだぞ」というメッセージです。
糸子は千代さんのお陰で二の手を考えるより先に道が開けた。
直子も原口先生までの道筋は優子が作ってくれたお陰で今は悠々、進めているだけ。
糸子は「女は男みたいに角を立てずに商売できる」と言っていますが
この点に関して男より男的な糸子より優子が数段、上手な訳です。
優子の根回しが悪印象なのは千代さんのそれと違って現時点、自分の為だから。
今は未熟で自分の事しか考える余裕はない優子ですが基本的に周囲に配慮するタイプで
糸子は娘に力量差を埋められるに従い旗色が悪くなっていきます。
デキる女が放つプレッシャー…。
不正受給の時には義経が曖昧な知識でポカをやったけど今回は逆ですねぇ。
これが主役ならハローワークの時にも最初から「そこを何とか!」と拝み倒して
中林さんに感謝されただけで終わっている。
栗橋さんだから相互補完のドラマになった。
次回は2年目?どんな方にも誠実にの初心を忘れそうになる頃でしょうか。
『カーネーション』101・102話 #カーネーション
画家になるという夢を「止めた」ことが、いつの間にか「家のために止めてあげた」ことになっている優子。
家は私が継ぐのだから、あんたたちは好きな事を一生懸命勉強しなさい。と説教する姿が芝居がかっていて可笑しい。ああ、人生の中で、自分もこんな顔して弟妹や子供らに説教していた時もあっただろうなぁと恥ずかしく振り返る。「おこがましさ」。
近所の人たちに偉い偉いと褒められる姉。「家を継ぐ」ことになっている姉。注目されるし、注目されるように動く姉。
ついに爆発したのが赤いバッグ事件(笑)
直子が欲しているのは、そのバッグでは無くて、糸子の愛と関心なのだと。よく見て、糸子。
三人兄弟の真ん中は「おみそ」になりやすいと昔から言う。
何も語らず、ただ不器用に孤独を全身から発する直子が可愛くて愛しうて、ああ、子育てとはなんと難しくて罪深いのだろうと思う。
がさつに見える子ほど敏感。
『健康で文化的な最低限度の生活』第7話 #健康で文化的な最低限度の生活 #ケンカツ
視聴率がイマイチで色々言われているのをチラっと目にした気がしますが、「貧乏」や「病気」や「底辺」を描いていながらお涙ちょうだいにも曖昧なホッコリにも走らない作り、とても好きです。
個人的には今期のドラマの中で好感度高い方に入っています。
ディスレクシアの相談者と、人間関係に難アリのケースワーカー。どちらも自分のことで精いっぱい、人の気持ちを考えるという器が初めからない。
出会った事で、それぞれ自分の欠点を見直し前へ進むという流れが素晴らしかった。丁寧だと思います。
不器用な優等生を演じる川栄さんが上手くて。そして可愛くて。時代物からヤンキーから優等生まで、本当に何でもこなすなぁ。
字が理解できない中林さんを支える手があるように、不器用な栗橋さんを支える仲間がいる。良い環境です。こういうホッコリは心から歓迎したい。
本日は直子メインのパートでしょうか。
母の関心を得ようと優子と直子が互いを牽制している状況ですが
この時期の糸子の人生観は「長女がしっかりしていれば兄弟姉妹は何とかなる」なので
(結果的に、あながち間違いでは無かったですが)
家業を継ぐポジにもいない直ちゃんは分が悪い…。
だからこそ、この母親に認められるには胸倉ひっつかんで
自分の方に向かせるぐらいの力と気迫を持つ事だと最初に考えるのも直子(笑。
優子が原口先生に師事する直前に勇からのチョコレート。
糸子が根岸先生に師事する直前に善作(苦党)がコーヒーについて語る場面との対比。
前半の糸子と後に優子が買ってくるケーキの意味合いが全く違うのが解る。
また、この縦軸とは別に横軸では直子を中心に家族を描く。
正面には直ちゃんを一番、理解してくれる千代お婆ちゃん。
聡子に対する態度は糸子以上に我の強い性格でありながら
妹から栗を独占していた糸子との違いが描かれる。
そして優子は直子と視線を合わさず母の死角に隠れるように服を見せに来る。
美大受験を反対されたら抗う気概も持てず家業を継ぐという選択肢しか選べない優子は
糸子の影にいますが、それは妹の才能や覇気を警戒する優子にとって
姉の面目を保ちながらの都合の良い逃げ場所でもあります。
何で、三人の中でここまで面倒くさい性格なのかは、また次回。
面白い時とそうでない時の落差が激しい「マッサン」ですが、今週は…。
何故、エマの初恋を2週間も引っ張るのか。
先週はエリーの初恋に結び付けて彼女の内面を掘り下げたので
今週はマッサンの一馬へのウイスキー作り伝授を通じて、ここに至るまでの
展開を回想し、終盤を前にマッサンのキャラを今一度、総括すべきでは?
(一馬を中心に出征の葛藤を描く事自体はいいのだが)
ところが、伝授は触り程度の扱いで主人公が一番、影の薄い週になってしまう…。
優希美青の所属事務所ゴリ押しみたいなものを感じる。
ピン子の臨終を年明けまで引っ張りたくて失業編を一週余分にダラダラやった感もあり
こういった「大人の事情」が全体の構成に歪を及ぼした節がある。
この割を食ったのが主人公夫婦が出産に立ち合い、最終的に後継者となる悟。
一馬が残した樽を前にマッサンが俊兄や悟と語る場面は
栄一郎が残した樽を前に三人だけの葬儀を行う場面へのフィードバックがうががえ
栄一郎⇒一馬⇒悟へと繋がるラインが見えるだけに
前任者二人に比べ影が薄い悟が気の毒(スピンオフにも出演できなかったし)。
『トーキョーエイリアンブラザーズ』第6話 #トーキョーエイリアンブラザーズ
「忘れられるって悲しいなぁ」
夏が悲しみを覚える。
「覚える」というよりも、実はとっくに分かってはいたんだ。だから記憶を消すのは嫌だったし、岡部を傷つけることを恐れた。
冬ノ介だって実は知ってる。
だからお茶を差し出すんだね。
「優しくて気が利いて話し上手」だけれども大事なものが抜けている冬。
大事なものだけを持っている夏。
そう言ってもらえたのに、忘れられてしまった。
ちいちゃんの記憶は二度と戻らない。
なのに、こっちの記憶は蓄積されたまま。
死んでしまった人の思い出のよう……。
悲しさがこっちにまで伝わる。
『ラストチャンス 再生請負人』第7話 #ラストチャンス
騙しているのではと思っていたあの人は騙していなくて、怪しいのではと思っていたあの人は本当に怪しいし、悪いのではと思っていた人まで騙されていたとか…なんなの。
昨日から土下座土下座で薩摩の家老が大変もす(笑)
この辺、よく分からないが負債の話はとっくに流れていてもおかしくない気がしてしまうし、ここまでよく引っ張ったなぁ(笑)
ラストは土下座の嵐らしい。
まぁ……どう再生するのか楽しみにしておきます。
医療裁判を起こす正攻法でもなく
「巌窟王」ばりにエゲツナイ作戦でもなく
結婚式場で銃を構えるのは安直感を拭えない。
ラブシーン映像をカットして対象を見失ったり
プロフェッショナルの魅力も無いなぁ…。
過去作品レギュラーだった長嶋氏登場はテコ入れだったりしないかな?
そういえば北大路欣也は、もう「刑事シュート」はやらないのでしょうか。
新山千春は朝ドラ以外は殆ど茶髪。
『絶対零度』第7話 #絶対零度
愛した人の心臓を撃ちに行く……。
とても切なくて美しい話なんだけれども、雇った興信所がドナーや整形まで探り当てちゃうとか、真実を知った経緯が病院内での立ち聞きだったとか、何だか色々と詰めが甘くて。
この「dele」になれそうで、ちょっとなれない感じが月9なのかなぁとか……(汗)