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『カーネーション』81・82話 #カーネーション 81回はこの世界でひとつの時代が終わる回。
「新時代の生地」を見つけ、サエさんが「これ服にして、町歩きまわったら、自分が生まれ変わったような気がするわぁ」と飛びつく服を、ずっと父に姉に家に守られてきた優しい妹が着る。
いつの間にか進行していた妹の恋。
戦地から帰ってくる恋人。新しい服。糸子が着られなかった花嫁衣裳。そして、おばあちゃんの死。
古いものは温かく終りを迎え、新しい時代に入る。
82回は懐かしい恵ちゃんが登場し、その人脈から糸子に新しい世界が広がる。
組合長、北村、そして、周防さん。
始まりは騒がしく、でも印象深く。
「おい(私)」すら聞き返す言葉の違いの興味から、彼の背中に父を男を感じる懐かしさから、糸子の中に今まで感じた事のなかった世界が広がる。
三味線を持つ周防さんの指までが美しい。
静子の嫁入り。千代さんのアップと善作写真は自分達の駆け落ちを思い出している? 糸子のお古(というか事実上、新品だが)がいつも静子に流れていきますが 柳生みゆさんはNHK版「大岡越前」で確かほっしゃんと夫婦役を演じます(笑。
そしてハルさんの他界。戦争からの立ち直りと並行して 「世代交代」により戦前から続いた糸子を取り巻く世界も変わっていく。 ただ後半で問題になるのが戦後社会の急激な変化がもたらす影響。 今回、千代さんは娘が幸せに向かって自分の足で歩いていく様を 嬉しそうに見ていますが同じ世代になった時の糸子の心中はかなり複雑になる。 「ウチは、この家で死にたかったんや」「早う、お迎えがこんやろか」 と繰り返していたハルさん。早くに亡くなったであろう夫や先立った倅との思い出に しがみついていたのであろう、今の糸子には想像もつかない孤独感を 晩年には糸子自身がよりシビアな形で背負うことになる。
82話から本当の意味で後半開始でしょうか。 戦地帰りの男達が酒と煙草に興じながら醸し出す空気感。 「あさが来た」の時より余程、怖いよなぁ…。
『カーネーション』79・80話 #カーネーション 79回はまた思い出深い回。このドラマに限っては全て神回だと思っていて、何一つ心に残らない回はないのだけれども、特に残っている。
八重子さんのパーマ機を買いに昌ちゃんも連れて東京まで出てきた糸子が、東京も空襲の被害が大きかったことを目にし、旅先で戦争孤児の泥棒に出会うという、戦争の傷跡残る体験。
布団の中に潜って震えている子の手を握り隠してやる。糸子のその優しさ。
自分の子どもたちにはとりあえず片親が居るという幸せをかみしめ、「おばちゃんら頑張って、もっともっとええ世の中にしちゃるさかい」と決心する。
80話では戦地で勝さんと過ごした人が家族写真を持って訪ねてきてくれて、最後まで夫の側には自分たち家族が居たのだと思い知る。
戦後と家族と子ども。
これはずっとこの後もこのドラマのテーマになっていて、
ここで子どもの泥棒に情けを与え、子どもを親のために泣かせない国を作りたいと決意した糸子が、
やがて……
という流れがやって来る。
何一つ無駄はなく、一回一回完結しつつ、ヒロインの善だけで出来ている人生ではない、思い通りの人生なんてない、という種を蒔きながら進むストーリー。
こんなに毎日泣いていたかなぁ、と我ながらおかしくなるほど毎日再放送で泣いている。
14週四話と15週冒頭二話で戦争の傷を一歩ずつ乗り越えていくのが解ります。
しかし15週冒頭から子役キャスト交代を見ると、 やはり14週は先週に全部、放映していてくれてればとも思う(汗。 安岡家は太郎に玉枝さんを背負う大役が待っているから仕方ないけど 小原家は周防編が本格始動の16週まで現状で引っ張っても良かったのでは?
そして、また来週から相撲です。 8月には高校野球もあるし9月までかかる可能性大。
子役時代を除けば今回が一番、面白かったかも(爆。
徹底的に追い詰められて、やっと感謝の言葉や土下座が見られる主人公。 彼女を気遣うボクテ、ユーコ、そして(声だけだけど)律。 鈴愛にとって「嬉しい」というより「羨ましい」と言うべきか。
彼らは(描写に多々、問題アリだが)20代前半で挫折を味わい その経験を咀嚼して己が身の丈をはかり、地に足を付け相応に大人になった。 鈴愛だけが「私は大人だ!」と喚ていた頃のまま。 十年、この業界に身を置けば相応の苦労とそれに伴う成長があって然るべきという点は スルーするにしてもドラマ的に鈴愛にも成長の糧となるイベントは幾つも用意されながら 彼女は咀嚼もせずに「不味い!」と外に吐き出してきました。
自分のアイデアを盗用したと外の世界に放りだされて立ち上がった ボクテにアイデアを求めに走る鈴愛を見やるユーコは 妹か大きな娘に対するようで、とても同い年には見えません。 ユーコの甘やかし…は仕方ない。叱ったら逆ギレを繰り返してきたのは鈴愛。 もう、なるようにしかならない。 その意味でユーコは鈴愛を見捨ててはいないが見限っているのでしょう。
先週ラストはカモキンと決裂か?と思わせたマッサン。
住吉酒造時代なら食堂で荒れまくりになる所でしたが 春さんやキャサリン相手に愚痴りながらも軌道修正。 会社の方針とモチベーションの整合性をとっていく。 名前の通り亀の歩みではあるが、ちょっとずつ成長。
カモキンもその姿勢を認めながら 「売ってこなかったら会社にお前の居場所はないぞ」と手綱を取るのも忘れない。 社会人のドラマはやはり、かくあるべし。
#限界団地 第4話 寺内さんと加代子さんの親密さの真実が解った回……。親しさの影に悪魔が生まれる物語があったのですね~~。
そして、穂乃花ちゃんの「性質」により、本格ホラーの一面が!!
『バカボンのパパよりバカなパパ』第1話 #バカボンのパパよりバカなパパ 漫画家の職場描写は面白くて、ホームドラマが入ろうが飲みに行っていようが、描くときは描くのだ!!の姿勢が解ってとても良かったのだが……
後半になると完全にホームドラマになってしまい、しかもストーリー的には完結してしまったので、来週から何をやるのかなって(爆)
トキワ荘時代などからもっと漫画家人生を描くのかと思っていたので、ちょっと拍子抜け。
ともあれ、懐かしいキャラクターにワクワクしたり、役者さんたちの演技を楽しんだり見どころはいっぱい。
玉鉄さんは本当に……心配になるくらいこういうボケっとした役が上手いですよね。あんなに美しいのに!!
『カーネーション』77・78話 #カーネーション 戦争が終わって。新しい時代はまず恐っそろしい進駐軍の噂から始まる。岸和田にもついに姿を現すアメリカさん。
こっちも人間だが向こうも人間。誰も姿を現さない岸和田の商店街で「残念だなぁ。日本の絵葉書ほしかったのに。」と言う米兵2人組。可愛い。ドラマ史上一番可愛いアメリカさん。
相手が話が通じる人間だと解れば、商売も出来る。
アメリカさんは新しい文化や食べ物を日本にたくさん持ち込んでくれた。当然、目が光る糸子。
けれども、糸子の中ではこの時まだ、洋服は「金の代り」でしかない。物々交換のために、食べるために縫う。
その気持ちを変えてくれたのがサエさん。
「男がだんじり引かなならんように、女もお洒落せなあかんねん!」
この人との出会いがどれだけ糸子の仕事に生かされて来たか。
やりがいのある仕事は生きがいになる。
その望みは八重子さんも同じで。
戦争で夫を失い、優しかった義母は心を失い、家全体が病んでいる。
逃げ出そうとする中、糸子が八重子さんを光のある方向に引っ張る。
「日本中の女が、これからはパーマと洋服なんや!!」
八重子さんは実家に帰ってもパーマ屋が出来るわけではない。
病んだ環境はどこかに突破口をつくらなきゃならない。
糸子の「安岡美容室」「安岡美容室」に洗脳されていく八重子さん。
進駐軍から、サエさんとの再会から、洋服作りへの意欲から、パンパンの子らのおしゃれな服とパーマから……の、八重子さんへの「これからはパーマと洋服」。
この2話だけでも、無駄なく全部繋がっている。
サエに始まり、八重子さんに帰結。
仕草や表情を織り交ぜた、この会話劇の流れ。言葉遊び等、不要。 糸子の交渉力や木之元との即興コンビを見せる闇市シーンも終戦直後独特の活気に あふれていて、これがモノクロ映像ならクロサワ映画のよーだ。
『カーネーション』75・76話 #カーネーション
公報に書かれてたのは「戦病死」。
夫が死んだ。
けれども、糸子は涙も出ない。だって、
「とにかく食べてへんのと寝てへんのと。暑いんとうるさいんと。」
うだるような暑さ、つんざく蝉の声。軍服を縫い、食べ物を運び、防火訓練に出て、空襲から逃げて、また軍服を縫い……。
「気持ちっつうもんがどっか行ってもうた。」 「これはこれで楽や。」
泰蔵兄ちゃんも亡くなって、それでも気持ちが戻らない糸子を正気づかせたのは「綺麗な赤い花びら」と動かぬ「だんじり」。
大好きな物はみんな灰色の思い出になってしまった。
振り絞るように天に向かって泣く。尾野真千子の凄さ。
でも、そんなに悲しくても、空襲警報は止んでくれない。生きるためには逃げる。悲しみに浸る間もない。
やっと8月15日。
時代物朝ドラお馴染みの玉音放送。
「何言ってるのか分らない」日本が負けたことすら分らない。そんな不鮮明な音だった。
それでも、男たちは「負けた」と言い、女たちは「終わった」と言う。
糸子はただただお昼ご飯のこと。
「十何年も続いた戦争が急に終った言われてもな」
実感は、当然なかっただろう。
ラジオから明るい音楽が響いて。
闇市には何でも売っていて。
やっと実感が沸く。
実感が沸けば、なぜ、だんじりが駄目なのかと不満も沸く。
今だからこそ、生きる力を。
止められようが、アメリカが来ようが、みんなで少しずつ引っ張り出す。
糸子がずっと引きたくて引けなかった男だけの夢を、直子は簡単に手にする。
弾圧されていた時代が前へ動き出す。
『カーネーション』73・74話 #カーネーション だんじりを引く手が無くなって、大事な人たちが次々とお骨になって戻ってきて、昨日、言っていた「自分の荷物は自分で背負う」を糸子がいよいよ実行する辛い戦時体験。
神戸のお祖父ちゃんはすっかりボケてしまって「ところどころ合うてる」記憶。
楽しくて幸せなところだけ覚えていればいいのに、人間はなぜ負の記憶が勝るのだろう。
ここからは、もう、お祖父ちゃんは何も辛い物を見なくてもいいように……と祈りながら、神戸とお別れ。「また会えるんやろか」
防火訓練は本当にくだらなく、そんなもんで消えるわけもなく、みんな逃げればいいんだ!……と思うのは現代目線で、当時の人たちは大真面目。
洗脳の時代。体力を消耗させるこの作業に疑問を持ちながらも参加する糸子。
大阪で東京で名古屋で大規模な空襲があり、いよいよ家族を疎開させる。
夏の暑いさなか、あっちにこっちに食料を運び、食べてないし寝てないし、何も考えられへん……
疲弊していく体と心。
朝ドラの中で、人がこんなに必死になって這いまわっている絵図はたぶんなかなか見られない。
だから、このドラマの戦争描写は凄いの。
誇り高い奈津が、あんな男に手を差し出してしまうくらい。みんな必死で、何も考えられず、とにかく生きた。
そんな中、届けられる夫の戦死公報。
何も考えられないことが唯一の幸いかも知れない。そう思わなければ生きていけない。
工場長時代はカモキンもいれば幼いエマも可愛く安定感がある一方、 上司の無理難題、母親には「家業を継げ」と迫られ切迫感もある。 (後で俊兄には「男は信念曲げたら終わり」と逆の事を言われる)
妻と娘が人参バトルなど微笑ましくやっていられる世界を守らなければいけない、 男はつらいよ。
オール巨人に馬鹿にされて奮起する展開は燃えますが それに見合うカタルシスが得られる展開は、用意されていないのよね、この作品。 マッサンが直面した問題をスパッと解決するのは最後の三級ウィスキーだけ。 基本的に駄目男の物語なもので。
晴さん、素直で優しい子って言ってましたよね???そんな設定だとは知りませんでした。素直で優しいように見えた事が一度もない。漫画の才能があるように見えた事も一度もない!
『カーネーション』71・72話 #カーネーション
感情で行動していると大切な物を失い二度と取り戻せない。
糸子のいつものヤツ。 大切な幼馴染みを失う2話。
奈津には糸子に頭を下げるなんてことはできない。糸子に弱みを見られるのが一番イヤ。
昔、勘助に言われた。けれども、頭に血が上るとそんな気遣いはもう出来ない。
奈津はいつも誇り高く、誇り高いは身を滅ぼす。借金で夜逃げするなんて、どれだけの絶望だろう。
軍に寮として叩き買いされた料亭。一万円の借金を説教するばかりで助けてやることが出来なかった糸子。
「このボケぇが!」は自分に対する後悔。
八重子さんの様子がおかしいとお母ちゃんに言われているのに、店子を叱る勢いで
「みんな自分の荷物で手一杯や。 自分の荷物は自分でどないかしてもらわなしゃあないねん!」
と、怒鳴ってしまう。
あの時、八重子さんに聞いていれば、きっと間に合ったこと。
遠くから糸子を見守り、そのまま去って行く勘助。
「会いたいけどな、俺には資格がないんや。もう。そやけどそれも、やっと仕舞いや」
勘助が戦地でどんな風に心を壊されたのかは想像の範囲でしかない。
けれども、いつだって勘助にとって糸子はまぶし過ぎた。
百貨店の制服を持ってお供して行った日。
「ここでいい」と中に入らなかった勘助を思い出す。
勘助は光が当たり過ぎる糸子が面白くて好きで、たぶん憧れてもいた。
でも、もう会えない。
お骨になって帰ってきた大切な次男を抱えて、壊れたように無表情に歩く安岡のおばちゃんが、この時この国の母の姿を象徴している。
国防婦人会の会長の次男さんもお骨になって帰ってきた。
だんじりを引く体力もない、こんな国、勝てるはずもなく。
自分で吐いた言葉通り、糸子は自分の荷物を一人で背負い始める。
『カーネーション』81・82話 #カーネーション
81回はこの世界でひとつの時代が終わる回。
「新時代の生地」を見つけ、サエさんが「これ服にして、町歩きまわったら、自分が生まれ変わったような気がするわぁ」と飛びつく服を、ずっと父に姉に家に守られてきた優しい妹が着る。
いつの間にか進行していた妹の恋。
戦地から帰ってくる恋人。新しい服。糸子が着られなかった花嫁衣裳。そして、おばあちゃんの死。
古いものは温かく終りを迎え、新しい時代に入る。
82回は懐かしい恵ちゃんが登場し、その人脈から糸子に新しい世界が広がる。
組合長、北村、そして、周防さん。
始まりは騒がしく、でも印象深く。
「おい(私)」すら聞き返す言葉の違いの興味から、彼の背中に父を男を感じる懐かしさから、糸子の中に今まで感じた事のなかった世界が広がる。
三味線を持つ周防さんの指までが美しい。
静子の嫁入り。千代さんのアップと善作写真は自分達の駆け落ちを思い出している?
糸子のお古(というか事実上、新品だが)がいつも静子に流れていきますが
柳生みゆさんはNHK版「大岡越前」で確かほっしゃんと夫婦役を演じます(笑。
そしてハルさんの他界。戦争からの立ち直りと並行して
「世代交代」により戦前から続いた糸子を取り巻く世界も変わっていく。
ただ後半で問題になるのが戦後社会の急激な変化がもたらす影響。
今回、千代さんは娘が幸せに向かって自分の足で歩いていく様を
嬉しそうに見ていますが同じ世代になった時の糸子の心中はかなり複雑になる。
「ウチは、この家で死にたかったんや」「早う、お迎えがこんやろか」
と繰り返していたハルさん。早くに亡くなったであろう夫や先立った倅との思い出に
しがみついていたのであろう、今の糸子には想像もつかない孤独感を
晩年には糸子自身がよりシビアな形で背負うことになる。
82話から本当の意味で後半開始でしょうか。
戦地帰りの男達が酒と煙草に興じながら醸し出す空気感。
「あさが来た」の時より余程、怖いよなぁ…。
『カーネーション』79・80話 #カーネーション
79回はまた思い出深い回。このドラマに限っては全て神回だと思っていて、何一つ心に残らない回はないのだけれども、特に残っている。
八重子さんのパーマ機を買いに昌ちゃんも連れて東京まで出てきた糸子が、東京も空襲の被害が大きかったことを目にし、旅先で戦争孤児の泥棒に出会うという、戦争の傷跡残る体験。
布団の中に潜って震えている子の手を握り隠してやる。糸子のその優しさ。
自分の子どもたちにはとりあえず片親が居るという幸せをかみしめ、「おばちゃんら頑張って、もっともっとええ世の中にしちゃるさかい」と決心する。
80話では戦地で勝さんと過ごした人が家族写真を持って訪ねてきてくれて、最後まで夫の側には自分たち家族が居たのだと思い知る。
戦後と家族と子ども。
これはずっとこの後もこのドラマのテーマになっていて、
ここで子どもの泥棒に情けを与え、子どもを親のために泣かせない国を作りたいと決意した糸子が、
やがて……
という流れがやって来る。
何一つ無駄はなく、一回一回完結しつつ、ヒロインの善だけで出来ている人生ではない、思い通りの人生なんてない、という種を蒔きながら進むストーリー。
こんなに毎日泣いていたかなぁ、と我ながらおかしくなるほど毎日再放送で泣いている。
14週四話と15週冒頭二話で戦争の傷を一歩ずつ乗り越えていくのが解ります。
しかし15週冒頭から子役キャスト交代を見ると、
やはり14週は先週に全部、放映していてくれてればとも思う(汗。
安岡家は太郎に玉枝さんを背負う大役が待っているから仕方ないけど
小原家は周防編が本格始動の16週まで現状で引っ張っても良かったのでは?
そして、また来週から相撲です。
8月には高校野球もあるし9月までかかる可能性大。
子役時代を除けば今回が一番、面白かったかも(爆。
徹底的に追い詰められて、やっと感謝の言葉や土下座が見られる主人公。
彼女を気遣うボクテ、ユーコ、そして(声だけだけど)律。
鈴愛にとって「嬉しい」というより「羨ましい」と言うべきか。
彼らは(描写に多々、問題アリだが)20代前半で挫折を味わい
その経験を咀嚼して己が身の丈をはかり、地に足を付け相応に大人になった。
鈴愛だけが「私は大人だ!」と喚ていた頃のまま。
十年、この業界に身を置けば相応の苦労とそれに伴う成長があって然るべきという点は
スルーするにしてもドラマ的に鈴愛にも成長の糧となるイベントは幾つも用意されながら
彼女は咀嚼もせずに「不味い!」と外に吐き出してきました。
自分のアイデアを盗用したと外の世界に放りだされて立ち上がった
ボクテにアイデアを求めに走る鈴愛を見やるユーコは
妹か大きな娘に対するようで、とても同い年には見えません。
ユーコの甘やかし…は仕方ない。叱ったら逆ギレを繰り返してきたのは鈴愛。
もう、なるようにしかならない。
その意味でユーコは鈴愛を見捨ててはいないが見限っているのでしょう。
先週ラストはカモキンと決裂か?と思わせたマッサン。
住吉酒造時代なら食堂で荒れまくりになる所でしたが
春さんやキャサリン相手に愚痴りながらも軌道修正。
会社の方針とモチベーションの整合性をとっていく。
名前の通り亀の歩みではあるが、ちょっとずつ成長。
カモキンもその姿勢を認めながら
「売ってこなかったら会社にお前の居場所はないぞ」と手綱を取るのも忘れない。
社会人のドラマはやはり、かくあるべし。
#限界団地 第4話
寺内さんと加代子さんの親密さの真実が解った回……。親しさの影に悪魔が生まれる物語があったのですね~~。
そして、穂乃花ちゃんの「性質」により、本格ホラーの一面が!!
『バカボンのパパよりバカなパパ』第1話 #バカボンのパパよりバカなパパ
漫画家の職場描写は面白くて、ホームドラマが入ろうが飲みに行っていようが、描くときは描くのだ!!の姿勢が解ってとても良かったのだが……
後半になると完全にホームドラマになってしまい、しかもストーリー的には完結してしまったので、来週から何をやるのかなって(爆)
トキワ荘時代などからもっと漫画家人生を描くのかと思っていたので、ちょっと拍子抜け。
ともあれ、懐かしいキャラクターにワクワクしたり、役者さんたちの演技を楽しんだり見どころはいっぱい。
玉鉄さんは本当に……心配になるくらいこういうボケっとした役が上手いですよね。あんなに美しいのに!!
『カーネーション』77・78話 #カーネーション
戦争が終わって。新しい時代はまず恐っそろしい進駐軍の噂から始まる。岸和田にもついに姿を現すアメリカさん。
こっちも人間だが向こうも人間。誰も姿を現さない岸和田の商店街で「残念だなぁ。日本の絵葉書ほしかったのに。」と言う米兵2人組。可愛い。ドラマ史上一番可愛いアメリカさん。
相手が話が通じる人間だと解れば、商売も出来る。
アメリカさんは新しい文化や食べ物を日本にたくさん持ち込んでくれた。当然、目が光る糸子。
けれども、糸子の中ではこの時まだ、洋服は「金の代り」でしかない。物々交換のために、食べるために縫う。
その気持ちを変えてくれたのがサエさん。
「男がだんじり引かなならんように、女もお洒落せなあかんねん!」
この人との出会いがどれだけ糸子の仕事に生かされて来たか。
やりがいのある仕事は生きがいになる。
その望みは八重子さんも同じで。
戦争で夫を失い、優しかった義母は心を失い、家全体が病んでいる。
逃げ出そうとする中、糸子が八重子さんを光のある方向に引っ張る。
「日本中の女が、これからはパーマと洋服なんや!!」
八重子さんは実家に帰ってもパーマ屋が出来るわけではない。
病んだ環境はどこかに突破口をつくらなきゃならない。
糸子の「安岡美容室」「安岡美容室」に洗脳されていく八重子さん。
進駐軍から、サエさんとの再会から、洋服作りへの意欲から、パンパンの子らのおしゃれな服とパーマから……の、八重子さんへの「これからはパーマと洋服」。
この2話だけでも、無駄なく全部繋がっている。
サエに始まり、八重子さんに帰結。
仕草や表情を織り交ぜた、この会話劇の流れ。言葉遊び等、不要。
糸子の交渉力や木之元との即興コンビを見せる闇市シーンも終戦直後独特の活気に
あふれていて、これがモノクロ映像ならクロサワ映画のよーだ。
『カーネーション』75・76話 #カーネーション
公報に書かれてたのは「戦病死」。
夫が死んだ。
けれども、糸子は涙も出ない。だって、
「とにかく食べてへんのと寝てへんのと。暑いんとうるさいんと。」
うだるような暑さ、つんざく蝉の声。軍服を縫い、食べ物を運び、防火訓練に出て、空襲から逃げて、また軍服を縫い……。
「気持ちっつうもんがどっか行ってもうた。」
「これはこれで楽や。」
泰蔵兄ちゃんも亡くなって、それでも気持ちが戻らない糸子を正気づかせたのは「綺麗な赤い花びら」と動かぬ「だんじり」。
大好きな物はみんな灰色の思い出になってしまった。
振り絞るように天に向かって泣く。尾野真千子の凄さ。
でも、そんなに悲しくても、空襲警報は止んでくれない。生きるためには逃げる。悲しみに浸る間もない。
やっと8月15日。
時代物朝ドラお馴染みの玉音放送。
「何言ってるのか分らない」日本が負けたことすら分らない。そんな不鮮明な音だった。
それでも、男たちは「負けた」と言い、女たちは「終わった」と言う。
糸子はただただお昼ご飯のこと。
「十何年も続いた戦争が急に終った言われてもな」
実感は、当然なかっただろう。
ラジオから明るい音楽が響いて。
闇市には何でも売っていて。
やっと実感が沸く。
実感が沸けば、なぜ、だんじりが駄目なのかと不満も沸く。
今だからこそ、生きる力を。
止められようが、アメリカが来ようが、みんなで少しずつ引っ張り出す。
糸子がずっと引きたくて引けなかった男だけの夢を、直子は簡単に手にする。
弾圧されていた時代が前へ動き出す。
『カーネーション』73・74話 #カーネーション
だんじりを引く手が無くなって、大事な人たちが次々とお骨になって戻ってきて、昨日、言っていた「自分の荷物は自分で背負う」を糸子がいよいよ実行する辛い戦時体験。
神戸のお祖父ちゃんはすっかりボケてしまって「ところどころ合うてる」記憶。
楽しくて幸せなところだけ覚えていればいいのに、人間はなぜ負の記憶が勝るのだろう。
ここからは、もう、お祖父ちゃんは何も辛い物を見なくてもいいように……と祈りながら、神戸とお別れ。「また会えるんやろか」
防火訓練は本当にくだらなく、そんなもんで消えるわけもなく、みんな逃げればいいんだ!……と思うのは現代目線で、当時の人たちは大真面目。
洗脳の時代。体力を消耗させるこの作業に疑問を持ちながらも参加する糸子。
大阪で東京で名古屋で大規模な空襲があり、いよいよ家族を疎開させる。
夏の暑いさなか、あっちにこっちに食料を運び、食べてないし寝てないし、何も考えられへん……
疲弊していく体と心。
朝ドラの中で、人がこんなに必死になって這いまわっている絵図はたぶんなかなか見られない。
だから、このドラマの戦争描写は凄いの。
誇り高い奈津が、あんな男に手を差し出してしまうくらい。みんな必死で、何も考えられず、とにかく生きた。
そんな中、届けられる夫の戦死公報。
何も考えられないことが唯一の幸いかも知れない。そう思わなければ生きていけない。
工場長時代はカモキンもいれば幼いエマも可愛く安定感がある一方、
上司の無理難題、母親には「家業を継げ」と迫られ切迫感もある。
(後で俊兄には「男は信念曲げたら終わり」と逆の事を言われる)
妻と娘が人参バトルなど微笑ましくやっていられる世界を守らなければいけない、
男はつらいよ。
オール巨人に馬鹿にされて奮起する展開は燃えますが
それに見合うカタルシスが得られる展開は、用意されていないのよね、この作品。
マッサンが直面した問題をスパッと解決するのは最後の三級ウィスキーだけ。
基本的に駄目男の物語なもので。
晴さん、素直で優しい子って言ってましたよね???そんな設定だとは知りませんでした。素直で優しいように見えた事が一度もない。漫画の才能があるように見えた事も一度もない!
『カーネーション』71・72話 #カーネーション
感情で行動していると大切な物を失い二度と取り戻せない。
糸子のいつものヤツ。
大切な幼馴染みを失う2話。
奈津には糸子に頭を下げるなんてことはできない。糸子に弱みを見られるのが一番イヤ。
昔、勘助に言われた。けれども、頭に血が上るとそんな気遣いはもう出来ない。
奈津はいつも誇り高く、誇り高いは身を滅ぼす。借金で夜逃げするなんて、どれだけの絶望だろう。
軍に寮として叩き買いされた料亭。一万円の借金を説教するばかりで助けてやることが出来なかった糸子。
「このボケぇが!」は自分に対する後悔。
八重子さんの様子がおかしいとお母ちゃんに言われているのに、店子を叱る勢いで
「みんな自分の荷物で手一杯や。
自分の荷物は自分でどないかしてもらわなしゃあないねん!」
と、怒鳴ってしまう。
あの時、八重子さんに聞いていれば、きっと間に合ったこと。
遠くから糸子を見守り、そのまま去って行く勘助。
「会いたいけどな、俺には資格がないんや。もう。そやけどそれも、やっと仕舞いや」
勘助が戦地でどんな風に心を壊されたのかは想像の範囲でしかない。
けれども、いつだって勘助にとって糸子はまぶし過ぎた。
百貨店の制服を持ってお供して行った日。
「ここでいい」と中に入らなかった勘助を思い出す。
勘助は光が当たり過ぎる糸子が面白くて好きで、たぶん憧れてもいた。
でも、もう会えない。
お骨になって帰ってきた大切な次男を抱えて、壊れたように無表情に歩く安岡のおばちゃんが、この時この国の母の姿を象徴している。
国防婦人会の会長の次男さんもお骨になって帰ってきた。
だんじりを引く体力もない、こんな国、勝てるはずもなく。
自分で吐いた言葉通り、糸子は自分の荷物を一人で背負い始める。