『NHK朝ドラ カーネーション』

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『カーネーション』
◆放送期間 : 2011年10月3日 ~ 2012年3月31日
(全151回)
◆平均視聴率 : 19.1%
◆制作 : NHK(BK)
◆制作統括 : 城谷厚司
◆プロデューサー : 内田ゆき
◆演出 : 田中健二、末永創、安達もじり、小島史敬、福岡利武、松川博敬、盆子原誠、熊野律時
◆脚本 : 渡辺あや
◆原作 :
◆音楽 : 佐藤直紀
◆主題歌 : 椎名林檎「カーネーション」
◆主演 : 尾野真千子・夏木マリ・二宮星
◆出演 : 栗山千明、小林薫、濱田マリ、麻生祐未、綾野剛、尾上寛之、新山千春、川崎亜沙美、安田美沙子、他
◆語り : 尾野真千子・夏木マリ

◆特記 :
・放送人の会 放送人グランプリ2012特別賞受賞
・第38回放送文化基金賞テレビドラマ番組部門 優秀賞受賞
・放送批評懇談会 第49回ギャラクシー賞テレビ部門 大賞受賞
・東京ドラマアウォード2012作品賞〈連続ドラマ部門〉 優秀賞受賞
・第37回エランドール賞新人賞受賞
・第21回橋田賞新人賞受賞



2011年下半期・NHK朝の連続小説『カーネーション』のレビューをお待ちしています。

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巨炎
1 年 前

最終回は後日談。
岸和田の小原家は呉服店も洋装店も一代限りでしたが、
その場所はだんじり祭りの憩いの場として残る。
善作が範を示し糸子が昇華させた生き様も娘達に受け継がれていく。

何度も観ていて概ね内容を把握しているつもりでしたが
今回の再放送でも新たな発見がある。
他作品の追随を許さぬ台詞の外で語られる桁外れの情報量。
色々な事を好き勝手に書かせてもらえる場を提供していただき有難うございました。

来月からは『あさが来た』ですが多分、観ないな(笑。
やはり、なっちゃんが糸やんの物語を観ている所で幕引きとなるのだから
次はなっちゃんが主役の『なっちゃんの写真館』を…。スンマセン、愚痴です。

巨炎
1 年 前

糸子が親を卒業する日。

娘の父である浩ちゃんを形見のミシンと並べて映す。
糸子を中心に活気づく様を背中越しに感じながら老兵の心境を味わう善作を
覚えていたので仕事の世界にさっさと戻っていく娘達を頼もしく眺める糸子の様に
「ああ、ここなんだな…」と。

最後は里香。晩年編はこの二人で始まりました。
彼女も既に母親ながら、この時だけはヤンチャな孫に戻る。
三姉妹編では年長者の糸子が優子に経験で負けた。糸子の経験は絶対では無かった。
なら逆の事だって言える。男尊女卑がまかり通る時代にやり通したパッチ屋修行や
五十年オーダーメイド職人に徹した経験を生かした病院ファッションショー。
『小原優子の娘』という肩書が一生、ついて回る孫に伝えられるだけの事を伝え
『強う生きるんやで』と優しく抱きしめる。

善作は優子を可愛がりながら逝った。ハルさんは糸子に看取られ逝った。
しかし八重子さんが玉枝さんを看取った時に太郎は居なかった。
聡子は渡英する時に千代さんと今生の別れを覚悟しなければならなかったし、
直子は祖母の臨終に立ち会えただろうか。
昔は当たり前だった事が今では当たり前で無くなっているのが切ない。

巨炎
1 年 前

糸子、最終週に来て表情で語る名場面のメインを務めるの事。

「私は10歳まで長崎で暮らしていました」

雑踏の音が遠のいていく。この言葉にどれ程の意味があるか。
勘助の事を語り合えるようになるまで四半世紀をかけなければならなかった玉枝と糸子。
つれあいが亡くなるまで故郷の土が踏めなかった周防や奈津。
糸子を応援しながらも会いに来る事は無い平吉。
戦争の闇を抱えて生きてこなければならなかった世代。

戦災孤児がまだ路上で靴磨きをしていた昭和23年。
戦火で故郷を追われ、母は病床、父は負傷&失業の一家をどんな末路が待っているか。
弟は糸子に対し『父を母から奪った憎い女』という側面だけ見ていれば良かったが
13歳の川上さんは『家族の恩人』という別の側面や
それを言い訳に小原家に入り浸る父の狡さも見えてしまう年頃に差し掛かっていた。
『父が好きになった人だから良い人であって欲しい』と自分を納得させて
こなければならなかった彼女の葛藤は、たった1話の中でも上手く表現されていました。

北村派の私でも「周防も逝ったか…」と何だか心にぽっかり穴が開いてしまったエピ。
綺麗ごとだけで生きるには今より、はるかに厳しかった時代。
それだけ人々は生きる事に今より真剣だったのではないか。
そういう人達が作り、残してくれた時代の上に我々は立っているのだろう。

巨炎
1 年 前

お迎えが近い事をムシの知らせで感じたように若い世代向けにサロンを残す糸子。
146回は第7週で「娘に看板を残して去った」善作と同等の空気感を醸し出す唯一の回。
147回は、その行為の立脚点である第2週を理解した事を示す回。
個人的には全話の中でもトップ3の内容ですが同時にここまで、やるかと…。

撫子の会の中で父に言及。
善作が清三郎に「これからは洋服の時代」と宣告された11回の総括となるイベント。
更に父を喪った譲の相談相手を玉枝さんの如く買って出る糸子。第25週が伏線と…。

「譲、お前ナンボや?」「はぁ、45です」

そんなやり取りの後に思い出写真から更にその先の二階の改装に併せ(!)
一階に移し替えてきた家族の遺影まで糸子は視線を走らせる。

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直後、栄ノ助を含めた三人のカットが変化して画面右隅に思い出写真の一部が映る。
映像は示す。糸子と譲、遺影が『ぼぼ』一列に並んでいるという事を。
映像は語る。糸子は45才の譲越しに在りし日の父を見ているという事を。
最後は譲の席が隣に移り糸子と譲、遺影の善作が『完全に』一列に並ぶ。

「なあ、譲。キラキラを剥がされて剥き出しになってしもうた四十男の本性は(↓)」

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「アンタが思うてるより、もっと、ずっと綺麗なもんなんやで」

あの日、いつも母と二階で寝る父が何故、祖母の寝所で小さくなっていたのか。
神戸の祖父と不仲な事を知っていて往復で態度が変わっていた事も見ていたのに
何も解っていなかった糸子。善作も子供に戻ってハルさんに甘えたかった。
その気持ちを抑え、自分は家長であり娘達の父親なのだと一人耐えていた。
決して強い人ではなかった父、
それでも歯を食いしばり生涯に渡り自分を支えてくれた父を想う糸子。
玉枝さんと千代さん、『二人の母』を介し77年かけて、ここまで辿り着きました。

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